発達障害の私たちに転職はつきものだ。
仕事が上手くいかなかったり、人間関係が上手くいかなかったりする確率が、普通の人に比べて高いせいで、転職回数も多くなる。
次の会社が決まってから今の会社を辞められたらいいだろうけど、そんなスムーズに転職ができるなら発達障害なんてやっとらんわけで。
まず会社を辞めてから就職活動をしなければならないとき、時間の余裕はできるが、収入が途絶えてしまうから金銭的な面で余裕がなくなってしまう。
そうなってくると大きな負担となるのが国民年金である。
今回は、会社を辞めてから転職先が見つかるまで、お金をやりくりするために知っておくべきこととして国民年金の免除制度ついて書こうと思う。
離職した人も利用できる国民年金の免除制度
会社を辞めた時点で貯蓄がたんまりある人は大丈夫だろうが、既にカツカツで困っているという人が、離職期間中に国民年金(約16000円)を毎月支払うのはキツい。
退職した後、忘れた頃に国民年金の振込用紙の束が送られてくると、この上なくげんなりする!
かといって滞納したら後で滞納分も含めて支払わなければならないし、そのまま滞納を続けてしまうと最悪は年金を受け取ることができなくなる。
せっかく今まで払ってきた年金をパーにしないためにも、ここは合法的に、正しいやりかたで資金不足を切り抜けなくてはならない。
そこで利用したいのが、国民年金の免除制度である。
免除される金額は条件によって変る
国民年金が免除される条件も様々で、免除額も「1/4 、半額、3/4、全額」 と、該当する人の状況によって変わる。
今回取り上げて説明するのは、仕事を辞めた人が「全額免除」を申請する方法についてである。
本来なら、年金の免除額は前年の所得から計算されるため、通常は直近まで働いている人には適用されない。
しかし、実は失業などにより離職した人のための「退職特例」という制度があるのだ。
退職特例を利用して国民年金を全額免除
この「退職特例」という制度を簡単に言ってしまうと。
会社を辞めた人の前年所得を0円として計算してくれるものだ。
前年の所得が0円なのだから国民年金は全額免除である。
国民年金の免除申請はどこでできるのか
免除の申請は区役所の年金課、または年金事務所で行うことができる。
郵送での手続きも受け付けており、用紙を日本年金機構のページからダウンロードして、必要事項を記入して指定の区役所の年金課に送ることも可能だ。
個人的な意見だが、用紙や添付書類の印刷したり、書類の書き方が合っているかチェックするのが面倒なのと、離職後は国民健康保険の手続きも必要になるため、区役所に行って健康保険と国民年金の手続きをまとめて行うほうが楽だと私は思う。
国民年金の免除申請に必要なもの
- 離職票
- 身分証明書
- 年金手帳
とりあえず、これを持って区役所の年金課にいけば、あとは係りの人が案内をしてくれるだろう。
申請用紙も役所に置いてあるので、わざわざ印刷する必要もない。
離職票に関する注意
注意したいのは、離職票である。
これは雇用保険に加入していたことと、会社を辞めていることを証明するのに必要だ。
しかし、辞めた会社から離職を含めた書類一式が送られた後、まずハローワークにいって失業保険の手続きをするとき、離職票をハローワークが預かってしまうことがあるのだ。
そういう場合は、職員に言えば写しのコピーしてもらえる(おそらく、”写し”が必要か聞かれる)のだが、「どうせ使わないからいいや」と思ってコピーをとらずに原本を渡してしまうと、年金免除の申請で問題になってしまう。
離職票は必ず原本か写しをとっておくように気をつけよう。
年金免除の申請は7月から翌年6月まで有効
免除の申請をした日から1年ではないので気をつけよう。
つまり5月に免除申請をした場合、その年の有効期限は6月末までなので、2ヶ月後の7月にまた手続きが必要になる。
そうすれば、翌年の6月まで1年間は年金の免除期間が続く。
これを忘れると、7月からは免除されなくなってしまうので注意しよう。
郵送されてきた国民年金の振込用紙は使わずに保管
会社を辞めて厚生年金から国民年金に切り替えると、手続きのタイミングによって、国民年金の振込用紙が郵送されてくるが、免除申請をするならそれは使わずに保管しておけばいい。
(免除の申請が通ってから捨てたほうが安心)
国民年金免除のメリットとデメリット
免除された期間は年金を払わなくていいのだが、大手を振って喜ぶわけにはいかない。
全額納付した場合と、免除された場合の違いもちゃんと知っておこう。
国民年金免除のメリット
まず一番の利点は、離職中でお金がない人にとって、年金を払わなくていいというのは、経済的にも精神的にも、負担が軽減される。
お金に困っているから、なんでもいいから内定が欲しいと焦ってしまうと、ブラック企業や自分に合わない仕事に就いてしまうかもしれない。
転職活動を焦らずに進めるにはお金の余裕が必要だ。
全額免除期間も年金に加入していることになる
免除額が1/2だと残を支払わないと未納になるし、免除申請をせずに国民年金が未納になってしまうと、遡って滞納分を全額納付しなければならない。
そこにきてこの全額免除の場合、その期間中は支払う額は0円、そして1/2が国庫に負担されて支払われたことになる。
つまり、その期間だけ該当者の支払う年金は月々約8000円となり、それを国庫が払っていることになる。
だから、後から未納分を払えと督促されることはないし、免除期間が終わってから残りの期間は納付すれば、ちゃんと年金が支払われる。
国民年金免除のデメリット
お金を払わないうえ、半分を国が負担してくれるなんて、ありがたい話である。
しかし、全額免除期間は納付した金額が少なくなるため、最終的にもらえる年金も、全額納付した人に比べると少なくなるのは覚えておこう。
免除分を後から追納することもできる
もらえる年金額が減ってしまうのが気になる人は、後から追納することで、全額納付と同じ状態にすることができる。
離職中はお金がなくて払えなかったけど、転職して収入が安定してから払うというのも一つの手である。
免除分は追納したほうが得?
正直これは、なんとも言えない。
このまま年金を払い続けて、いざ貰う立場になったとき、どれほどの額になっているのか、免除分と追納分を差し引きするとどうなのか、という話はコジレそうなのでやめておく。
あくまでも、離職中のお金を工面して切り抜けることを目的として書いている。
国民年金の免除制度をうまく使って転職しよう
免除申請の方法やメリット・デメリットについて、ざっくりと説明したが、わかってもらえただろうか。
人によっては「すぐに就職するから、そんな面倒なことしない」という人もいれば、「いまお金がないから助かる」という人もいるだろ。
利用するかどうかは本人の状況次第だが、一ついえることは、こういった制度があることを知っておくことは大切ということだ。
私は過去にハローワークの失業保険の説明会にいったときに、担当職員から聞いたのだが、それまで年金の免除ができるなんて知らなかった!
本当にお金に困っている人でも、制度を知らなければ利用することはできない。
国の制度には知らないと損をするようなものが多いのは事実だ。
だから、必要な情報を、必要な人が、必要なときに、使ってほしいと私は思う。
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