「青い鳥症候群」というのを聞いたことがあるだろうか?
何度も転職を繰り返す人を「理想をばかり追いかけている夢見がちな人」と揶揄するときに使われる言葉だ。
そして転職回数が多いといえば、発達障害者のあるあるである。
しかしだ。それで発達さんたちは青い鳥症候群だと見なされてはたまったものじゃない。
だから私は抗議する。
私たち発達障害持ちの人間は、別に理想を追い求めて転職を繰り返しているわけではない。
ただ単に、職場に居続けられる能力がないだけだ!
そんな夢追い人なんかと一緒にされては困る。
むしろ私たちは、どうしようもないぐらい現実の壁にぶち当たって転職を余儀なくされているだけである!
それだというのに、夢追い人の普通な人たちと一緒にされるなんてのは我慢ならない。
だから今回は、なぜ発達障害の人が転職を繰り返すことになるか書いてみようと思う。
そもそも「青い鳥症候群」と呼ばれる人とは
そもそも「青い鳥症候群」とはなんなのかについてだが、私が調べた限りではおおむね以下のように書かれていた。
- 「想像していた仕事と違う」という理由ですぐに会社を辞めてしまう
- 自分の可能性を捨てきれずに転職を繰り返す
- 様々な習い事をして自分の可能性を探す
- 大人になりきれず夢を追い続ける
つまりは、自分の可能性を捨てきれずに転職を繰り返す。
ということだろう。
もうね、そこからして発達障害の観点とは全然違う!
自分の可能性? 夢を追いかける?
バカを言ってはいけない、私たちはそんな夢見がちに生きられるほど恵まれてはいないのだ。
発達障害者が転職を繰り返す理由
私の転職スパンは短かい。2年以上長いた仕事がない、早ければ3ヶ月、1年続いた辺りで辞めるのがいつものパターンである。
けれど、別に「もっとやり甲斐のある仕事をしたい!」とか「もっと自分に合った仕事をしたい!」というのではない。
現実は「1年やっても仕事で失敗ばかり。最初は親切に教えてくれてた人たちも呆れてる。職場に居づらい。仕事も人間関係も上手くいかない。もう無理です辞めます…」
これが現実である。
新人として扱われているうちはまだいい、仕事の失敗もまだ笑って許される。しかし、何度やっても仕事を覚えられず、注意しているのにうっかりミスが治らず、後で入ってきた人よりも仕事ができない、という事態に周囲からは無能扱い。
なにより、いくら頑張っても上手くできない自分に失望。
そのまま仕事を続けるだけの気力も持たずにギブアップである
そこに自分を信じるとか、夢を追うとか、そんなフワッとしたものが入り込む余地なんてないのだ。
自分でも長く続けられる仕事がしたいだけ
別に周囲に認められたいとか、なんか凄いことをやってるとか、誰もそんなことは考えちゃいないのだ。
「次こそは長く続けられる仕事であってほしい」
これだけである。
しかし、次の仕事を始めてみたら、発達障害の特性のせいで、簡単な仕事でも失敗して、もの覚えが悪くて、周囲の人間関係も上手くいかないという、毎回おなじみのパターンに陥ってしまうのだ。
だからこそ、発達さんは同じ失敗を繰り返さないように自己分析をして仕事を選ばなければならないのだが、それで自分の特性にピッタリ合う仕事なんてのはなかなか見つからないのが現実だ。
誰にも迷惑をかけたくないし、自分でもちゃんとこなせる仕事があるのならやる。
それがなかなか見つからないから何度も転職する羽目になっている。
(こんな話しをしていると「我慢するのも仕事のうちだ!」なんて言う人もいるが、私は過去に我慢したあげくにうつ病になった経験があるので、そんな言葉には惑わされない!)
だから私たち発達障害者は青い鳥なんて求めちゃいなのである。
この苦しみが普通の人には理解されないから辛いのだ。
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